Shift_JISをUTF-8に変換する方法
そのテキストの文字コードが何で書かれているのかは、テキストエディタなどで確認することができます。
メモ帳では確認できませんが、Notepad++など、大抵のエディタでは右下あたりに表示されているはずです。
この文字コードを変更する場合、そのテキストエディタにて、文字コードを指定して保存すればよいだけですが、大量のファイルを一括で変換するには手間がかかります。そのような場合、Pythonにてフォルダ内のファイルを一括で変換するとよいでしょう。
フォルダ内のShift_JISを一括でUTF-8に変換するとよいでしょう。
この手順についてですが、フォルダ内のShift_JISを一括でUTF-8に変換する方法についてご紹介しています。また、charsetの箇所でもShift_JISを指定しているので、その箇所もUTF-8に書き換える必要があります。
けれども、もし先にcharsetの記述をUTF-8に書き換えてしまうと、その時点では実際のファイルの文字コードはまだShift_JISのままであるため、それ以降の操作が正しく行われない可能性があります。
そのため、以下の手順にて、まずはファイルの文字コードをUTF-8に変換した上で、charsetの記述をUTF-8に修正することをおすすめします。
- ファイルの文字コードをShift_JISからUTF-8に変換する
- HTMLファイル内からcharsetの記述を見つけ出し、UTF-8に書き換える
- 書き換えたHTMLを別のフォルダに出力する
ちなみに、CTRFなどの改行コードについては、文字コードとは別のため、直接的には関係性がありません。UTF8のファイルでもCTRFを使用することは可能ですし、Shift_JISでもLFを使用することは可能です。
この変換は文字化けして失敗するケースが多いため、必ず元のファイルをバックアップした上で作業することをおすすめします。さらに、「テキスト自体の文字コードの変換」と「charsetの指定の修正」は分離し、2段階で対応するとよいでしょう。
PythonでShift_JISの文字コードをUTF-8に変換
以下のコードは、「example.com」フォルダ内のhtmlファイルをUTF-8に変換し、「new」フォルダに出力するコードになります。
以下のコードの「chardet」ライブラリをインストールするにはpipを使用します。まず、コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(MacまたはLinux)を開き、以下のコマンドを入力して実行します。
pip install chardet
また、「example.com」の箇所は修正し、フォルダと同じ階層にconvert.pyファイルを設置して実行してください。
■convert.py
import os
import chardet
from pathlib import Path
from shutil import copyfile
src_dir = Path("example.com")
dest_dir = Path("new")
# エラーログファイルのパス
error_log_path = 'error_log.txt'
with open(error_log_path, 'w', encoding='utf-8') as error_log:
for ext in ["*.html", "*.htm"]: # 追加
for src_path in src_dir.glob("**/" + ext): # 変更
# 変換後のパスを作成
relative_path = src_path.relative_to(src_dir)
dest_path = dest_dir / relative_path
dest_path.parent.mkdir(parents=True, exist_ok=True)
# ファイルの文字コードを判定
rawdata = open(src_path, 'rb').read()
result = chardet.detect(rawdata)
charenc = result['encoding']
if charenc == 'utf-8':
# 既にutf-8のファイルはそのままコピーし、ログに書き出す
copyfile(src_path, dest_path)
error_log.write(f"Already UTF-8, copied: {src_path}\n")
continue
# Shift_JISのバリエーションを考慮して読み込みを試みる
try:
if charenc in ['shift_jis', 'cp932', 'shift_jisx0213', 'euc_jp', 'iso2022_jp']:
with src_path.open(mode='r', encoding=charenc, errors='ignore') as inf:
content = inf.read()
else:
with src_path.open(mode='r', encoding='shift_jis', errors='ignore') as inf:
content = inf.read()
with dest_path.open(mode='w', encoding='utf8') as outf:
outf.write(content)
except Exception as e:
# エラーメッセージをログに書き出す
error_log.write(f"Failed to convert file: {src_path}, Error: {e}\n")
コピー
何等かの事情でエラーが発しした場合は、エラーログが出力されます。
charsetでのShift_JISの指定をUTF-8に修正
上記にて、「example.com」フォルダ内のファイルがUTF-8に変換され、「new」フォルダ内に入っていると思います。
この「new」フォルダ内のHTMLファイルには、以下のように「encoding="Shift_JIS"」や「charset="Shift_JIS"」などと記載されている箇所があるため、以下のコードでこちらもUTF-8に修正して「neo」フォルダに出力します。
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS" />
もしファイルの文字コードが「Shift_JIS」のままだった場合はそのままスキップし、「UTF-8」だった場合のみ「Shift_JIS」に修正します。
■charset.py
import os
import shutil
import chardet
import re
import logging
# ロギングの設定
logging.basicConfig(filename='error.log', level=logging.ERROR)
# 入力・出力先のディレクトリ
input_dir = 'new'
output_dir = 'neo'
# 出力先ディレクトリが存在しない場合、作成
os.makedirs(output_dir, exist_ok=True)
# 入力ディレクトリとそのすべてのサブディレクトリを順に処理
for dirpath, dirnames, filenames in os.walk(input_dir):
for filename in filenames:
if not filename.endswith(('.html', '.htm')): # .htmlまたは.htmファイル以外は無視
continue
filepath = os.path.join(dirpath, filename)
# ファイルをバイナリモードで読み込み、エンコーディングを推定
with open(filepath, 'rb') as file:
rawdata = file.read()
result = chardet.detect(rawdata)
file_encoding = result['encoding']
# Shift_JISのままであるべきファイルが存在する場合
if file_encoding.lower() == 'shift_jis':
logging.error(f'{filepath}: Shift_JIS detected.')
# 出力先フォルダパスを作成し、存在しない場合は作成
relative_dir = os.path.relpath(dirpath, input_dir)
new_dirpath = os.path.join(output_dir, relative_dir)
os.makedirs(new_dirpath, exist_ok=True)
# 出力先にそのままコピー
new_filepath = os.path.join(new_dirpath, filename)
shutil.copy(filepath, new_filepath)
elif file_encoding.lower() == 'utf-8':
with open(filepath, 'r', encoding='utf-8') as file:
contents = file.read()
# charsetがShift_JISになっているか確認し、UTF-8に変更
contents = re.sub(r'charset=["\']?shift_jis["\']?', 'charset="utf-8"', contents, flags=re.I)
contents = re.sub(r'encoding=["\']?Shift_JIS["\']?', 'encoding="utf-8"', contents, flags=re.I)
# 出力先フォルダパスを作成し、存在しない場合は作成
relative_dir = os.path.relpath(dirpath, input_dir)
new_dirpath = os.path.join(output_dir, relative_dir)
os.makedirs(new_dirpath, exist_ok=True)
new_filepath = os.path.join(new_dirpath, filename)
with open(new_filepath, 'w', encoding='utf-8') as new_file:
new_file.write(contents)
コピー
最終的に、「neo」フォルダ内にUTF-8のHTMLファイルが出力されているはずです。ただし、Shift_JISには様々な種類があるため、完璧に変換するのは困難かと思います。どうしても文字化けしてしまう文字が出てきてしまうかもしれません。
ファイルの文字コードがUTF8かチェックする方法
最後に、全てのファイルがUTF-8に変換されているかをチェックします。
以下のスクリプトは、「neo」フォルダ内をチェックし、UTF-8以外のファイルをlixt.txtに書き出すものです。
■check.py
import chardet
from pathlib import Path
src_dir = Path("neo")
# 結果を保存するテキストファイルのパス
list_txt_path = 'list.txt'
non_utf8_files = []
# .htmlと.htmの両方を探す
for extension in ['**/*.html', '**/*.htm']:
for src_path in src_dir.glob(extension):
try:
# ファイルの文字コードを判定
with open(src_path, 'rb') as f:
rawdata = f.read()
result = chardet.detect(rawdata)
charenc = result['encoding']
if charenc != 'utf-8':
# utf-8以外のファイルのパスをリストに追加
non_utf8_files.append(str(src_path))
except Exception as e:
print(f"Failed to check file: {src_path}, Error: {e}")
# リストの内容をテキストファイルに書き出す
with open(list_txt_path, 'w', encoding='utf-8') as list_txt:
if non_utf8_files:
for filepath in non_utf8_files:
list_txt.write(filepath + '\n')
else:
list_txt.write('すべてのファイルがUTF-8で、list.txtが空です。\n')
コピー
全てUTF-8だった場合、「すべてのファイルがUTF-8で、list.txtが空です。」と表示されます。
大量にあるホームページファイルのフォルダを一括でチェックする際にも、上記のコードを使用するとよいでしょう。「neo」の箇所をチェックしたフォルダ名に変更し、同じ階層に上記のcheck.pyファイルを設置して実行すれば、調べることができます。
チェックするファイルが大量にある場合は時間がかかるかもしれませんが、こちらは、単にチェックするのみで、元のHTMLファイルに変更は加えられません。